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「台湾映画の教父」李行さん死去 91歳

  • 日付:2021-08-20
「台湾映画の教父」李行さん死去 91歳

映画監督のリー・シン(李行、本名=李子達)さんが8月19日夜、台北市内で心不全のため亡くなりました。91歳でした。リーさんが初代主任委員を務めた両岸映画交流委員会が20日、明らかにしました。「台湾映画の教父」と呼ばれたリーさんは70年以上にわたって映画界に貢献し、50本以上の映画を手掛けたほか、両岸(台湾と中国)の映画交流や作品の修復、保存などに尽力しました。

リーさんは1930年、上海で生まれました。国共内戦で台湾に移り住み、台湾師範学院(現・国立台湾師範大学)に入学しました。新聞社での文化・芸能担当記者を経て、1958年に「王哥柳哥遊台湾」でデビューしました。同作は台湾語映画の代表作の一つとされます。1960年代に打ち出された「健康写実主義」路線や、1960年代後半から80年代前半にかけて数多く制作された「瓊瑤映画」と呼ばれる、作家の瓊瑤さんの恋愛小説を原作にした作品でも代表作を持ちます。台湾の映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)では監督賞に3度輝きました。

また、金馬奨を主催する「台北金馬映画祭実行委員会」の主席を1990年から2003年まで務めました。同委の現主席である映画監督のアン・リー(李安)さんは助手を通じてコメントを出し、台湾映画に対するリー・シンさんの貢献と後進の育成などは映画人の手本であり、「永遠に懐かしむ」と悼みました。