日本統治時代に台湾各地を踏査した人類学者、伊能嘉矩（いのう かのり）の特別展「重返・田野：伊能嘉矩与台湾特展」が7月24日から、南部・台南市の国立台湾歴史博物館で開かれています。貴重なフィールドワークの記録や文物、映像などを通じ、来場者を120年前の台湾にいざないます。
伊能は1895年に台湾総督府雇員となり、約10年間にわたって台湾原住民（先住民）の調査・研究などを行いました。代表著書に没後に刊行された「台湾文化志」（1928）があります。
同展では、時代背景や人物紹介など6つのテーマに分けて伊能の足跡をたどります。伊能のメモや日記、先住民集落名などが検索できる地理情報システム（GIS）や、伊能が各所で集めた文物や物語などを照合できる台湾俯瞰図などを利用し、伊能が訪れた場所の現在地を知ることもできます。
伊能が毛筆で書いた横344センチにもおよぶ台湾原住民（先住民）系統図も、台湾大学図書館が所蔵して以来100年近くを経て初めて公開されました。
2019年1月1日まで開催されます。