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日本統治時代生まれの台湾人画家、楊三郎の回顧展、東京で開催

  • 日付:2021-07-03
日本統治時代生まれの台湾人画家、楊三郎の回顧展、東京で開催

台湾の美術界に大きな足跡を残した日本統治時代生まれの画家、楊三郎の日本初の回顧展「台湾の至宝 楊三郎展」が 6 月 26 日から東京都内で開催されています。親日家だった楊が日本語で書いた日記のほか、李登輝元総統から高い評価を受けた風景画「玉山の日の出」も見ることができます。

楊は 1907 年、台北の裕福な商家に生まれました。宮崎出身の画家、塩月桃甫(とうほ)の油絵に感銘を受けて画家を志し、16 歳で親の反対を押し切って渡日しました。翌年京都の関西美術院に入学しました。在学中から頭角を現し、卒業後も日本や台湾の美術展で立て続けに入選。1932 年にはパリに渡りフランスの秋サロンでも入選を果たしました。帰国後は、台湾人画家を主体とする「台陽美術協会」の創設に尽力しました。

同展では、生前精力的に世界を巡った楊が 1936 年から 1991 年にかけて描いた約半世紀分の作品を一挙展示。このうち、李元総統のお気に入りは、台湾最高峰の玉山(標高 3952 メートル)を描いた「玉山の日の出」。楊三郎美術館(北部・新北市)の村越のりこ代表によりますと、冬の明け方に黄金色に染まった空と日の光を浴びた山々を描いたもので、見る者に希望と大きな力を与える作品だということです。

展示作品はいずれも同美術館の収蔵品の一部で、大部分は日本初公開。村越氏は、新型コロナウイルスの影響で海外旅行がままならない今だからこそ、作品を通じて作者の感動を感じてほしいと呼び掛けています。

東京・銀座の泰明画廊で 7 月 10 日まで行われます。