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華やかに舞う「蘭」 高雄で台日合作の台湾オペラ上演

  • 日付:2021-12-27
華やかに舞う「蘭」 高雄で台日合作の台湾オペラ上演

台湾と日本のチームが協力して制作した台湾オペラ(歌仔戯)「アフロディーテ 〜阿婆蘭(アポーラン)〜」が12月25日、高雄市の衛武営国家芸術文化センターで初上演を迎えました。屋外のステージを目いっぱい使い、華やかな衣装に身を包んだ演者たちが圧巻のパフォーマンスを繰り広げました。

台湾と日本のアーティストによる大規模な文化交流イベント「Taiwan NOW(台湾ナウ)」の最後を締めくくる作品として上演されました。劇場には1000人余りが詰め掛けました。

台湾の深山にひっそり咲いていた白いコチョウラン「阿婆蘭」が人間によって改良され、大量に生産されていくことで、阿婆蘭の存在が危機にさらされるというストーリーです。

現代アートと伝統芸能が融合した作品となりました。量産された蘭役の演者たちが同じ白い衣装でずらりと並び、台湾語の歌に合わせて舞います。その姿は迫力があり、美しさで人々を魅了すると同時に、自然とはどうあるべきかを見る者に問います。また、台湾オペラという表現手法が用いられたことで、伝統芸能と台湾語の伝承の問題も間接的に示されました。

現代美術作家、やなぎみわさんが脚本、演出、美術を手掛けました。やなぎさんが日本語で書いた脚本を、台湾の劇作家、王友輝さんが台湾語で組み立て直し、台湾オペラに欠かせない押韻(おういん)を盛り込みました。演じたのは、台湾南部を拠点とする台湾オペラの三大劇団「秀琴歌劇団」、「春美歌劇団」、「明華園天字戯劇団」でした。

台湾ナウの総合プロデューサーを務めた国家文化芸術基金会の林曼麗董事長(会長)は公演翌日の26日に開かれたイベントで、同作が文化、領域、国境をまたいだ創作となった以上に、互いに説得し、受け入れ合う過程があったとし、新たなプロジェクトにつながることに期待を寄せました。

作品はオンラインでも公開されており、ユーチューブ(https://youtu.be/XqvmJJuB4M8)で2022年1月8日まで視聴できます。日本語字幕付き。