メインのコンテンツブロックにジャンプします

台湾の芸術家、ヨコハマトリエンナーレに出展 「重要な役割担う」=組織委

  • 日付:2020-07-17
台湾の芸術家、ヨコハマトリエンナーレに出展 「重要な役割担う」=組織委

国際芸術祭「ヨコハマトリエンナーレ2020」が7月17日、横浜市で開幕しました。台湾からはジャン・シュウ・ジャン(張徐展)さんやアリュアーイ・プリダン(武玉玲)さん、ジョイス・ホー(何采柔)さんが出展しています。横浜トリエンナーレ組織委員会の蔵屋美香副委員長は、生や死、有毒なものとの共存などをテーマにした同展では、3人がとても重要な役割を担っていると話しています。

ジャン・シュウ・ジャンさんは、紙を素材としたアニメーションなどを手掛けるアーティストです。今回の出展作品は、アジアの童話に台湾の伝統芸能やインドネシアのガムラン音楽などの要素を織り交ぜた映像インスタレーションの新作「動物物語シリーズ」。蔵屋氏は、会場に入ると真っ暗で、その後、見たこともない動物が楽器を演奏し、踊るのが見えてくると紹介。現実と幻想、生と死の間に存在する動物たちの霊の祭りが生き生きと再現されるこの作品を「強く推薦する」と太鼓判を押しました。

台湾原住民(先住民)パイワン族出身のアリュアーイ・プリダンさんは、豊かで多元的な先住民の精神を伝統工芸と鮮やかな色彩で表現した布製のソフト・スカルプチュア作品を5点出展。主催側によると、本来は日本到着後にアイヌの芸術家との共同で6点目を制作する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でかないませんでした。アリュアーイさんは、パイワンとアイヌの文化は入れ墨や祭儀など類似点があると話し、交流が実現しなかったことに対し、残念な気持ちを口にしました。作品を日本に運ぶ際には祭壇を作り、出展の成功やコロナの早期収束などを祈願したといいます。

ジョイス・ホーさんは、日常的な事物に小さな変化を加えることで気付きや反省などを促す作品を得意としています。今回出展した「バランシング・アクトⅢ」は、保護や統制のために用いられ、堅固な印象があるフェンスの底部を、ロッキングチェアのように揺れる造りにしたインスタレーションです。何かを保護する物体が、通常は強固であるはずなのに不安定な状態になっているという「『正反対』の要素を一つにした」と解説しました。

ヨコハマトリエンナーレ2020は、横浜美術館とプロット48、日本郵船歴史博物館で10月11日まで開催されます。