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ツァイ・ミンリャン監督のVR映画、日本初上映 観客の好反応に胸なでおろす

  • 日付:2021-02-11
ツァイ・ミンリャン監督のVR映画、日本初上映 観客の好反応に胸なでおろす

台湾を拠点に活動する映画監督、ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)のVR映画「蘭若寺の住人」(家在蘭若寺)が2月11日、日本初上映されました。ツァイ監督は16日、日本上映に合わせて開かれたオンライントークに参加し、作品に驚きを示す日本の観客の反応に胸をなで下ろすとともに、VR作品の撮影の経験や幼少期の生活について語りました。

東京都港区内を中心に同日に始まった文化イベント「シアターコモンズ'21」のプログラムの一つとして上映されました。シアターコモンズは都市にあらたな「コモンズ(共有地)」を生み出すプロジェクトで、今回で5回目となります。台北駐日経済文化代表処台湾文化センターが実行委員会に加わっています。実行委員会には台湾文化センターのほか、港区内に拠点を持つドイツやフランス、オランダの機関やNPO(非営利組織)法人芸術公社も参加しています。

同作はツァイ監督初のVR映画。2017年に台湾のスマートフォン大手、HTCの出資を得て製作されました。同年のベネチア国際映画祭のVR部門に出品され、高く評価されました。

16日のオンライントークでツァイ監督は自身の幼少期について、両親の多忙により、3歳から祖父母と暮らしていたことに言及し、祖父母の影響で自身も映画に触れるようになったと話しました。1992年にデビュー作「青春神話」(青少年哪吒)を発表して以降、外的条件によって制限されることなく映画を製作できているというツァイ監督は、自身の映画監督としてのキャリアに満足している気持ちを示しました。その上で、今後も引き続き創作活動を続け、引退はしないことを明かしました。

「蘭若寺の住人」は東京・六本木のアートコンプレックス「ANB TOKYO」で2月21日まで毎日5回上映されます。要予約。鑑賞にはシアターコモンズの共通パス「コモンズパス」が必要となります。