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瀬戸内国際芸術祭2019 台湾アートの風吹かせる

  • 日付:2019-04-26
瀬戸内国際芸術祭2019 台湾アートの風吹かせる

香川と岡山両県の島々と港を舞台にする現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2019」が4月26日、開幕しました。台湾からはリン・シュンロン(林舜龍)さん、ワン・ウェンチー(王文志)さんの2人の芸術家の大型作品が展示されています。2作品とも小豆島の住民の協力を得て制作されました。2人は、作品を心で感じてほしいと口々に語りました。


3年に1度開かれる同祭は今年で4回目を迎えました。春、夏、秋の3期、計107日間の会期中、世界32の国・地域の芸術家225組の作品が香川と岡山の12の島と高松港、宇野港周辺で展示されます。


ワンさんは2010年から毎回、小豆島で作品を出展しています。4作目となる今回は「小豆島の恋」と題し、同島中山村の村民と力を合わせて作り上げました。竹で作られた同作品は3つの空間に分かれ、過去の3作品の象徴や記憶をそれぞれの空間で表現しています。ワンさんは、一つの場所で創作をし続けるのは芸術家にとっては非常に大きな挑戦だと明かし、伝統的な竹編みの美しさを心で感じ取ってほしいと述べました。


リンさんは新作「国境を越えて・波」で、小豆島の砂浜に数千本の竹で海洋生物を築きました。制作には村民と台湾のボランティアが協力しました。この砂浜は、前回2016年の作品「国境を越えて・潮」で、砂や砂糖、白玉粉、石灰などで作った196体の子供の像を立てたのと同じ砂浜です。リンさんは、作品を通じて人々が言葉の壁を越え、人と人とのコミュニケーションを身体と心で直接感じてくれればと語りました。流木を使ったリンさんの作品「種の船」は2013年に豊島で展示され、2016年には高松港に設置されました。


春期は5月26日まで。ワンさん、リンさんの作品は秋期閉幕の11月4日まで展示されます。7月19日から始まる夏期の期間中の8月9~12日には、台湾発のアカペラの祭典「ボーカルアジアフェスティバル」が香川県との共同で開催されます。300組余りが参加し、台湾からは台湾原住民(先住民)プユマ族出身の歌手サンプーイ(桑布伊)やアカペラグループのオカイ・アカペラ(欧開合唱団)などの出演が予定されています。


開幕式に出席した台北駐日経済文化代表処台湾文化センターの王淑芳センター長は、台湾の芸術家チームの同祭への参加人数は過去最高を更新したと述べ、今後も引き続き台湾の芸術家の参加機会を開拓していきたいと抱負を語りました。


国境を越えて・波

小豆島の恋